【開催報告】第15回JaCERラーニング・ラボ「マレーシアの強制労働とNAP」を開催しました
2026年8月18日、JaCERは、第15回ラーニング・ラボ「マレーシアの強制労働とNAP」をオンラインで開催しました。
近年、マレーシアでは、外国人労働者を中心とした強制労働の問題が国際的な関心を集めており、企業にはサプライチェーン全体を通じた人権デュー・ディリジェンスの実践がこれまで以上に求められています。また、マレーシア政府は2025年に初の「ビジネスと人権に関する国家行動計画(National Action Plan on Business and Human Rights:NAP)」を公表し、企業活動における人権尊重の取組を進めています。
今回のラーニング・ラボでは、マレーシアにおけるビジネスと人権分野の第一人者であり、マレーシア人権委員会(SUHAKAM)の委員として同国のNAP策定に重要な役割を果たされた、マレーシア国民大学(Universiti Kebangsaan Malaysia:UKM)名誉教授のH.E. Prof. Dato’ Dr. Aishah Bidin氏を報告者としてお迎えしました。
ビディン教授からは、マレーシアにおける強制労働の現状と課題、NAP策定の背景や主要な内容、そして企業に期待される対応についてご講演いただきました。マレーシアに拠点やサプライチェーンを有する日本企業にとっても重要なテーマについて、現地の政策・制度の動向を踏まえながら理解を深める機会となりました。
続くパネルディスカッションでは、高橋大祐 JaCER共同代表(弁護士)と中西翔太郎 JaCERグリーバンス・オフィサー(弁護士)がパネリストとして参加しました。高橋共同代表は、日本の「ビジネスと人権に関する行動計画(NAP)」の策定・改定に携わった経験から、中西グリーバンス・オフィサーは、マレーシアのカワグチ事案に弁護士として関わった経験から、それぞれ実務的な視点を提供しました。
パネルディスカッションでは、マレーシアのNAPが企業実務に与える影響、日本企業への示唆、サプライチェーンにおける強制労働をはじめとする人権リスクへの対応などについて議論を深めました。マレーシアにおける政策の進展と現場で生じている課題の双方を踏まえ、企業が人権デュー・ディリジェンスをどのように実践し、人権リスクの予防・是正につなげていくことができるかを考える貴重な機会となりました。
JaCERでは、今後もラーニング・ラボを通じて、ビジネスと人権をめぐる国内外の重要な動向や実務上の課題を取り上げ、会員企業の皆様とともに理解を深める機会を提供してまいります。