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第12回 国連ビジネスと人権フォーラムへの参加及び欧州調査出張のご報告

2023112729日、JaCERはスイス・ジュネーブで開催された「第12回 国連ビジネスと人権フォーラム」(12th United Nations Forum on Business and Human Rights)に参加致しました。本フォーラムは、ビジネスと人権をテーマとした世界最大のイベントで、144カ国から3,993名の参加があったとの報告がありました。今回の中心テーマは「義務、責任、救済措置の実施における効果的な変革に向けて」で、計39のセッションが開催されました。会合の概要は以下の通りです。

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  • 今回のフォーラムでは、環境問題(気候変動やエネルギー移行)、救済へのアクセス、新たな課題・視点(AI)、人権擁護者、紛争時の撤退、責任ある広告などのアジェンダが特に注目を集めているようでした。また、日本との関係では、全体会合に気候政策シンクタンク「クライメート・インテグレート」代表理事でゴールドマン環境賞を受賞した平田仁子氏が登壇し、気候変動と人権問題を結び付ける必要性を強調されていました。
  • 救済へのアクセスについては、計6件のセッションが開催されました。それぞれテーマは、「大規模な土地取得の影響を受ける人々に対する効果的な救済に向けて:アフリカにおける進展と機会」、「ラテンアメリカとカリブ海諸国における企業の人権への影響に対する救済へのアクセスにおける被害者の中心性」、「司法へのアクセスの確保:人権擁護者の重要な役割」、「金融分野における効果的な救済に向けて」、「グローバル・サプライチェーンにおける労働者主導の救済:実践的視点」、「アジア太平洋地域における移民労働者のための司法アクセスと効果的救済の強化: 何が欠けているのか?」でした。 
  • このフォーラムは、世界中から関係者やステークホルダーが一堂に会し、直接対話ができるサロン的な役割も果たしており、参加者の多くは国連建物内にあるサーペント・バーなどに集って意見を交換していました。JaCERも、元国連ビジネスとワーキンググループ議長のダンテ・ペシェ氏、国際人権NGO「ビジネスと人権リソースセンター」、豪州マッコーリー大学「司法アクセス・ラボ」、気候政策シンクタンク「クライメート・インテグレート」、国際NGO「バンクトラック」等と意見交換を行いました。また、国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが主催する夕食会や振り返り会等に出席し、現地参加した日本人関係者と親睦を深めました。
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また、この機会を捉えてオランダと英国を訪問し、多国籍企業研究センター(SOMO)、カタリスト・イニシアチブ、エセックス大学人権センター、海鮮倫理行動連合(SEA Alliance)Know the Chain等と意見交換を行いました。いずれの団体もサプライチェーンこそがビジネスと人権問題におけるボトルネックであると考えており、その全体像や取引の流れを把握するため、さまざまなデータを駆使して専門的な分析や調査を行っていました。

JaCERでは、今後もこうした機会を通じて、世界各国のステークホルダーとの関係構築・意見交換を行い、効果的な救済支援に活かしていく所存です。

参考URL

第12回国連ビジネスと人権フォーラム・ウェブサイト

https://www.ohchr.org/en/events/sessions/2023/12th-united-nations-forum-business-and-human-rights

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