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【報告】JaCERラーニング・ラボ「強制労働、移住労働者、人権擁護者、救済~活動家の視点」を開催しました。

2024年7月29日(月)、JaCERはオンライン上でラーニング・ラボ「強制労働、移住労働者、人権擁護者、救済~活動家の視点」を開催しました。当日は40名を超える会員企業の担当者や関係者の皆様が参加しました。

 

ラーニング・ラボは、会員企業の担当者の皆様に責任ある企業行動に関する有益な情報をお届けし、日々の業務にご活用いただくために開始したJaCERの新しい取り組みです。今回は、通報者側の視点や考え方を担当者の皆様にご理解いただくことも重要ではないかとの思いから、移住労働者や労働権に関する活動家として名高いアンディー・ホール氏をお招きしました。ホール氏の基調プレゼンテーションでは、以下のようなお話がありました。

 

  • ディーセントワークが実現できるかどうかは責任ある採用次第。採用費用の負担や不当な控除、だまし、非人道的扱い、移動の自由制限など、さまざまな問題がある。
  • 世界の大企業もこの課題に直面している。企業監査をすれば見つかるというものではなく、どのようにモニタリングをするのかが重要。採用が決定し、労働者が受入国に到着した段階で、すでに問題が発生してしまっていることは認識すべき。
  • 日本に来る移民労働者の場合、日本のエージェントにも贈賄リスクがある。移民労働者を日本に派遣する場合、賄賂を送る必要があるとアジアの各国の関係者からは聞いている。
  • 責任ある採用のためのガイダンスを作成したので参考にしてほしい。

 

こうしたお話を踏まえて、当機構の共同代表とホール氏との間で以下のような対話が行われました。

 

質問: キックバックに関わっているアクターは、ビジネスと人権について理解しているのか?

回答: 理解していないと思う。

 

質問: キックバックに関して、汚職の問題があるとの指摘があり、15のマーカーを示してもらったが、外部から分かるレッドフラグはあるか?

回答: 必要な契約が締結されていなかったり、労働者が債務を返済するために残業や長時間労働をしたがったり、そうした行動が一つのフラグになる。

 

質問: 通報を行った人に対する報復を防ぐ方法はあるか。

回答: なかなか難しい。通報内容を確認するために証拠を示すことが求められるが、その際に証言をした人の名前を出すと証言者に対する報復の危険もある。企業によっては、上がってきた通報内容をそのまま対象企業に転送してしまうこともある。建設的なエンゲージメントを通じて信頼を構築することが重要。

 

質問: 本企業に対して、欧州企業のサプライチェーンの取り組みも進んでいるところからアドバイスがあれば教えてほしい。CSDDDが成立したが、アジア太平洋、日本企業への影響についてどうか。

回答: 日本の企業は、いったんエンゲージメントすると効果が高いという面も見てきた。欧米は進んでいるように見えるが、実際には日本がそこまで後れを取っているとは思わない。日本企業は情報開示が遅れており透明性が低く、通報をするのが難しいため、その点は改善してほしい。CSDDDのインパクトについては、対象となる企業数は少なくなったが、日本の大企業は対象となると考えられるため、当然影響はあるだろう。実際の影響は企業によって異なると思われる。

 

JaCERは今後も国内外の有識者や知見のある組織と連携し、グリーバンスメカニズム等に関する理解促進の機会を提供していく予定です。

【添付資料】

・責任あるリクルートメントのためのガイドライン

https://www.fairlabor.org/wp-content/uploads/2024/05/FLA-PP-Presentation-FINAL.pdf

 

General Principles and Operational Guidelines for Fair Recruitment and Definition of Recruitment Fees and Related Costs

https://www.ilo.org/sites/default/files/wcmsp5/groups/public/@ed_protect/@protrav/@migrant/documents/publication/wcms_703485.pdf

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